お四国巡礼

明日から5日間にかけて、7年前お遍路さんに旅立ったときに
書き綴った手紙を紹介したいと思います。

真冬のニューヨーク

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NY回想記から
今年の2月、私は知人と二人でアメリカを訪れた。
ニューヨーク、思っていた以上に人はせかせかしておらず
紳士で親切な街であった。
最初に向かったのがグランドゼロ。今の時代を生きるひとりの
人としてこの地を自分の目で確かめたかったからだ。
もうすでに新しい建設物がきまり基礎工事が進んでいた。
あの高層建築群にかこまれたワールドトレンドセンター跡に深い刻まれた
クレーター、音、空気からは、不思議な緊張感が伝わってきた。
私が訪れた時、丁度アメリカ大統領選のスーパーチューズデイを
やっていた。黒人の多く住むハーレムに宿をとったせいか、街頭で
オバマ氏のチラシを配る人を多く見かけた。
多種多様な民族が住むアメリカでは、各個人個人がそれぞれに
意見、考え方を持ち参加していた。人ごととしてとらえていない
個人の政治に対する意識の高さが印象的であった。
ハーレムのジャズ。泥臭いというよりは美しく、スタイリッシュだった。
イサム・ノグチ庭園美術館。以前日本でも、四国にあるアトリエで作品を
みたことがあったが 、彼の創造するスカルプチャーはとても日本人的で、
そこから感じる深い思想に、意識を触発されるものがあった。
街に新しい文化をいち早く取り入れようとする、ニューヨーカーの美意識。
歴史は浅いが、そこの飽和力に何か考えさせられるものがあった。

プロバンスの風

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France回想記から
昨年7月のはじめフランスへ旅立った。
目的は、アルル国際写真フェスティバルをみることと、南仏の建築。
上京してからというもの、ブライダル撮影の仕事ずっとしたいた自分だが、
仕事を覚えることが手一杯になり、自分が進むべき写真をほとんど撮っていなかった。
どうしても、自分の中の意識を変えたいためフランスの古典的な写真祭を目指した。写真祭では、マグナムフォトはじめ、今現在第一線を走る各国の作家が一同に写真を出展し、アルルの街をあげて賑わいをみせていた。内容的にはまずまずだったが、フランスという国民性、芸実に対する懐の奥深さを感じた。又、写真を表現として選び進もうとする自分に対して勇気を与えてもらったような気がする。
写真祭を見終わると、南仏プロバンスを旅したのだがそこで出会ったル・コルビュジェの建築、ル・トロネ修道院には今までにない感動があった。また、そこで出会ったフランスの人々に深く感銘を受けた。東京で生活していると中々と感じ得ない、人のぬくもり、暖かみを感じれたこと、何か無償にうれしかった。
3年越しの海外、以前旅したパキスタン、アフガニスタンの粗らしく激しい世界とは違った、日常の生活から感じられるやさしい風景に出会えて心が癒された。
街がそこに住まう人をつくり、そこにある日常に流れる風景の大切さを改めて実感させられた。

感動にシャッターを

私が写真を撮り始めたのは
2001年の中国から印度にかけての旅からであった
出発前に知人から薦められたニコンF2と50mmレンズ1本を
中古カメラ屋で購入し日本を旅立った
中国 東南アジア 印度を旅する中で様々な人々と出会い
そこで衣食住を共にし 1枚1枚に気持ちを込めシャッターを切り続けた
そこには うまい下手といった技術的なものは何もなく
行動そのものに感動があり 何よりも無心な自分があった
無心になってシャッターを切った
被写体と真摯に向き合い
ただただ 
こころでシャターを切った
アジアの子供たちの希望に満ちあふれた瞳が
私のドキュメンタリー写真の原点です