真冬のニューヨーク
NY回想記から
今年の2月、私は知人と二人でアメリカを訪れた。
ニューヨーク、思っていた以上に人はせかせかしておらず
紳士で親切な街であった。
最初に向かったのがグランドゼロ。今の時代を生きるひとりの
人としてこの地を自分の目で確かめたかったからだ。
もうすでに新しい建設物がきまり基礎工事が進んでいた。
あの高層建築群にかこまれたワールドトレンドセンター跡に深い刻まれた
クレーター、音、空気からは、不思議な緊張感が伝わってきた。
私が訪れた時、丁度アメリカ大統領選のスーパーチューズデイを
やっていた。黒人の多く住むハーレムに宿をとったせいか、街頭で
オバマ氏のチラシを配る人を多く見かけた。
多種多様な民族が住むアメリカでは、各個人個人がそれぞれに
意見、考え方を持ち参加していた。人ごととしてとらえていない
個人の政治に対する意識の高さが印象的であった。
ハーレムのジャズ。泥臭いというよりは美しく、スタイリッシュだった。
イサム・ノグチ庭園美術館。以前日本でも、四国にあるアトリエで作品を
みたことがあったが 、彼の創造するスカルプチャーはとても日本人的で、
そこから感じる深い思想に、意識を触発されるものがあった。
街に新しい文化をいち早く取り入れようとする、ニューヨーカーの美意識。
歴史は浅いが、そこの飽和力に何か考えさせられるものがあった。